「啐啄の機」 No.23(2023年4月8日)

2023.04.08

あなたの代わりはどこにもいない
 
昨日は本校の入学式でした。新たにTDU生の一員となった新入生の皆さんを心より歓迎するとともに、多くの学校の中から進学先として本校を選んでくれたことに感謝申し上げます。

本校は中高合同で入学式を行います。

正門横の八重桜が綺麗に咲いて出迎えてくれました。

本校の校訓は「人間らしく生きる」です。その意味するところは、自分自身をだれからも支配されることなく、自分の意思で生き方を選択し、判断し、決断するということです。そのための生きる力を、このTDUでの三年間ないし六年間での学びを通して身につけてほしいと願っています。
 
人はなぜ学ぶのか──学びが強制であるうちは、それは単なる苦痛でしかありません。また、短期的にはテストの点数を上げるため、良い成績をとるため、志望校に合格するため…といった目標を掲げることはできますが、そうだとしたら目標を達成すれば(あるいは達成できないことが明らかになれば)、人は学ぶことをやめてしまいます。ですから、「人は何のために学ぶのか」という問いかけに、自分なりの答えを持っていることはとても重要です。
 
17世紀フランスの哲学者デカルトは「我思う、故に我有り。」と言いました。人間は考える主体としてのみ自己の存在を確認できる、ということです。学ぶというのは、自分自身の存在を確認することであり、人間が意思を持って生きていくために必要な行為です。押しつけられた学びでは、たとえどんなに良い成績を残したとしても、結局は自分自身を見失ってしまいます。「あなたはいったい何のために生きているの?」という問いかけに、いったいどれほどの人が自信を持って答えることができるでしょうか。
 
人はだれしもがかけがえのない存在として、この世に生を受けました。それは、どんな時代になっても変わることのない永遠の真理です。そして、「かけがえのない存在」とは、「あなたの代わりはどこにもいないし、あなたの代わりはだれにもできない」ということです。どんなに困難な人生であったとしても、あなたはあなた自身で生きていくしかない。「人間らしく生きる」という校訓には、そのような強い決意が込められています。
 
新入生の皆さん。あなたの代わりはどこにもいないし、あなたの代わりはだれにもできません。あなた自身が強い意思を持って生きていくための力を、TDUでの学びを通して身に付けていってください。私たち教職員一同はあなたたちを全力でサポートします。これからの学校生活を、ともに頑張っていきましょう!