未来は自分で創るもの ~ 受験生の皆さんへ
日米のプロ野球界で活躍し、2019年に現役を引退したイチローさんが、先ごろ日本人選手として初のアメリカ野球殿堂入りを果たしました。イチローさんは、今回の殿堂入りの記者会見の冒頭で次のように述べています。
「この日を迎えるということが、2001年、僕が初めてMLB(メジャーリーグ)に挑戦した年に、おそらく地球上のだれも想像はできなかったと思うんですよね」
イチローさんのプロ野球界入りは、1991年のドラフト会議でオリックスからの4位指名といいますから、入団当時のイチローさんへの評価は決して高いものではなかったようです。ですから、2001年どころか1991年当時、いったいだれが現在のイチローさんを想像したでしょうか。
けれども、私は世界でたった一人、この日が来ることを信じていた人が存在すると思っています。それはほかでもない、イチローさん自身です。なぜならイチローさんは小学生のときに既に、「将来は一流のプロ野球選手になって活躍する」という決意を卒業文集に書き残しているからです。
こうしてみると、未来というのは想像するものでも予想するものでもなく、「未来は自分で創るもの」ということがたいへんよくわかります。どんなに高い目標であっても、今できる精いっぱいの努力を積み重ねることで、夢は確実に近づいてくる。だからこそ、イチローさんは同じ記者会見で次のように語っているのでしょう。
「いいことだけではありませんでした。苦しいこともたくさんありましたけど、最終的にここに一歩ずつ近づいていった。そして、今日この日を迎えられたことは、言葉では言い表せないほどの気持ちです」
受験生の皆さん。皆さんはこれまで多くの困難を乗り越え、一歩ずつ前に進みながらここまでやってきました。受験を決意したときには遥かに遠い道のりだと感じていたかもしれませんが、皆さんは紛れもなく自分の力で未来を切り拓いてきたのです。ぜひ、これまでに積み重ねてきた努力と自分自身の力を信じて、目の前の受験に挑んでください。
受験生の皆さん。未来は自分で創るものです。皆さんの未来が輝かしいものであることを、私たちは心から信じています。どうか力いっぱい頑張ってください。