「啐啄の機」 No.45(2025年4月8日)

2025.04.08

学校長の平川です。いつも本校HPをご覧いただき有難うございます。
 
昨日は本校の入学式でした。今回の「啐啄の機」では、入学式で新入生に贈った式辞を一部抜粋してご紹介します。

まだ何者でもない皆さんへ

新入生の皆さん。皆さんは、本校での新たな生活の中で、これまでに身につけてきたことを土台にして、これまで以上に多くのことを学ぶことになります。学びの世界は果てしなく、また深淵なものですから、皆さんにはこれからたくさんの未知なるものとの出会いが待っています。

そんな皆さんにとって、これからのTDUでの生活では、わかること、できることの喜びもあれば、その反対に、わからないこと、できないことに対するもどかしさや苛立ちを感じることもあるはずです。また、もしかしたら、できないことの苛立ちが、できることの喜びを打ち消してしまい、なんとも説明のできない、心がざらざらするような、不安な時期を迎えることもあるでしょう。

皆さんは、今、学びの緒に就いたばかりです。中学生・高校生という、世の中のスタートラインにも立っていない、いわば何者でもない存在です。学校というのは、その何者でもない存在に学問を通して生きる力を与え、何者かに育てる場所、つまりは皆さんの人生に、生きる意味を与える場所です。そのためには、TDUでの学びを通して多くのことにチャレンジしてほしいと思っています。

失敗は決して恥ずかしいことではありません。そもそも、すべてのテクノロジーは、わからないこと、できないことが、その出発点となっています。人類の、わかりたい、できるようになりたい、という強い気持ちこそが、これまでの科学の発展を支えてきたのです。

成功の対義語は、失敗ではありません。成功の対義語は「挑戦しないこと」です。挑戦する気持ちがなければ、永遠に成功することはありません。

新入生の皆さんは、今はまだ、とても小さな無力な存在です。そしてそれは、小学校あるいは中学校を卒業したばかりの皆さんにとっては、あたりまえのことです。ですから、皆さんは、まず今の自分、ありのままの自分を受け入れて、できないことの先に、できる自分の姿を探して、いろいろなことにチャレンジしてください。そして、自分自身の成長を喜びにできる人になって欲しいと思います。私たち教職員一同は、そうした皆さんの学校生活を後押ししたいと思っています。


現代ではX(旧Twitter)やInstagramといった短文のSNSが主流ではありますが、令和7年度も校長ブログ「啐啄の機」を通して、ふだん私が考えていることや感じたことを皆さまにお伝えしてまいります。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。