読書の秋に寄せて
10月になり、日に日に秋の気配が濃くなってきました。あいにくの長雨が続いていますが、先月には武蔵野祭という大きなイベントが無事に終了し、生徒たちの表情にもどこか落ち着きが感じられるようになりました。
秋といえば、スポーツの秋、食欲の秋と並んで、昔から「読書の秋」と言われています。今月末の10月27日からは「読書週間」が始まります。また、今年は平成13年に「子どもの読書活動の推進に関する法律」が制定・施行されてから25周年という節目の年でもあります。全国の図書館や教育機関で読書推進の取り組みが改めて見直される中、本校でも読書の価値を生徒の皆さんにしっかり伝えていきたいと考えています。
そうした読書の魅力を象徴するように、現在NHK総合テレビではドラマ「税金で買った本」が放映されています。図書館を舞台に、いわゆる“ヤンキー”高校生がアルバイトを通して本や人と出会い、少しずつ成長していく物語です。原作はコミックとのことで、個性的な登場人物たちが織りなす世界観に、思わず引き込まれてしまう作品です。
このドラマの中で、印象的な場面がありました。主人公の高校生が、本と向き合う中でこんな言葉を口にします。
——知らないことを知っていくのが、めちゃくちゃ楽しいんだ。
この言葉には、どんな人にも当てはまる“学びの原点”が表現されているように感じます。 人は、自分の知らない世界に触れたときに成長します。そして、その扉を開いてくれる最も身近な行為が読書です。読書は自分の価値観を広げ、他者の生き方に触れ、時に自分自身を見つめ直すきっかけを与えてくれます。このドラマの主人公の言葉は、「本は人を変える力をもっている」ということを示しているのではないでしょうか。
さらに、ドラマの中ではこんな言葉もありました。
——自由は、オレの中にある。
SNSが全盛の時代ですが、スマホを通じて得られる情報は消費されるだけで、多くはすぐに忘れ去られてしまいます。それに対して、読書を通じて得られる知識や経験は自分の中に確実に蓄積され、その人の将来の可能性を広げる糧(かて)となります。まさに、読書を通じて自由が生まれるといえるでしょう。
読書推進法25周年という節目の今年、生徒の皆さんが一冊の本と出会うことを願っています。 その出会いが新しい世界へ踏み出すきっかけとなることを、おおいに期待しています!
武蔵野祭でのビブリオバトル(知的書評合戦)の様子です。
生徒の皆さんの読書に対する熱意が伝わってきました。