高校2年生の森朴君が、文科省の『トビタテ!留学JAPAN』プログラムの派遣留学生として、10月から1月にかけて北欧フィンランドのラハティにあるTiirismaa Senior High Schoolに短期留学してきました。森朴君の「留学報告書」をご覧下さい。
教育先進国と言われているフィンランドに行き、現地の学校の雰囲気や授業を体験し、それを日本の高校生に伝えることで、彼らの勉強や将来に対する意識を改革すること、それが私の留学の目的だった。私は高校入学後、大学受験向けばかりの日本の教育体制に疑問を抱いた。本当に日本で受けているカリキュラムが自分の将来、役に立つのだろうかそのような疑問ばかりが浮かんでいた。
フィンランドの授業を体験して、私はフィンランドの教育は今の世界の動きにきちんと対応していると感じた。ここでの世界の動きとは、グローバル化、多様性、電子化などを指す。
授業には“宗教“という聞きなれない授業があった。自分の信仰している宗教以外の宗教についても学ぶことで、異文化の人たちを理解することができ、それが多様性を受け入れることにつながっていると推測できる。それに加えて宗教の時間は小学一年生から行われている。私はすごく衝撃を覚えた。また英語力の高さにも驚いた。英語の授業は英語で行われていて、また英語を使って彼らはプレゼンテーションを難なくこなしていた。会話さえも友達同士、英語を使って行うのだ。授業にはみんなLaptopを持ってくる。学校には生徒用wi-fiが完備され、授業や課題提出はもちろん、定期テストや学校の連絡やお知らせ、宿題の確認、先生への連絡なども全て電子媒体を使って行なう。日本には見られないシステムがそこにはあった。
フィンランドの高校教育は、大人になって必要なことを高校生のうちから訓練する教育だと感じた。向こうの教育は確実に、世界を見ていて、将来を見ている。インターネット設備は全て整えられ、電子化・情報化の動きに対応している。宗教などの時間を通してグローバルな視点・意見を養成し、プレゼンテーションなどでそれを発表し、生徒同士で議論を活発に行う。将来大人になるために必要なことをこの段階で教わっていたのだ。そして、自分の学びたいことを自分で責任を持って自由に学んでいた。
それに対して、日本はどうだろうか。高校教育は大学受験のことを最優先に考え、生徒も受験のために勉強している現状だ。学校の制度も今の時代にそぐわない規則がたくさん目立つ。たくさん規制され、集団の意見に従い、日々圧迫されながら私達は勉強している。そもそも私達は何のために勉強しているのか。私は将来社会で正しく生きていくためだと考える。私は、それをサポートするために必要なことが日本の今の教育には欠けていると感じる。将来、世界の動きはさらに加速していくだろう。今こそ、学校そのものの制度・方針・規則を徹底的に見直す必要があるのではないか。そうしていくことで日本の教育は変わっていくだろう。それが私たちの学びをも変えるきっかけになると考える。
最後に、私の留学に携わってくださった皆様に、この報告書を持って感謝を伝えたいです。ありがとうございました。
↑学校のクリスマスコンサートに参加した時の様子
↑学校でのダンスの授業
↑学校でのsingingの授業
↑教会で歌の発表会をした時リハーサルの様子
↑学校のクリスマスコンサートの時の様子
↑僕のホストファミリー、留学初日
↑学校の美術の時間、右脳と左脳の芸術の感覚の違いを説明している
↑フィンランド国旗、ホストファミリーに代わって掲揚しました
↑Kaarisiltaという障害者施設に見学に行った時の美術の時間の様子
↑親友とアイスホッケーをした時の様子
↑とっても仲良くしてもらっていた友達とアイスホッケーを見に行った時の様子
森朴君はフィンランドでの高校生活を通じて、フィンランドと日本の教育の違いに気づき、これからの世界に必要なことは何か、そのために高校時代に何をどのように学んだらよいか、考えを深めることになったようですね。視野を広げる貴重な海外留学となりました。
さあ、みなさんも世界へ、トビタってみませんか?