力を発揮するために ~ 高名の木登りに学ぶ
鎌倉時代の随筆『徒然草』に登場する有名なエピソードの一つに、「高名(こうみょう)の木登り」があります。以下は簡単なあらすじです。
木登りの名人が弟子を指図して、高い木の枝を切らせていました。高く危険な場所での作業では黙って見ているだけでしたが、弟子が枝を切り終えて低い場所まで降りてきたとき、名人は初めて「気をつけて降りなさい」と声をかけました。
この名人は「人は『終わり』を意識すると失敗しがちである」という気の緩みを見抜いていたのでしょう。私も自らの経験と照らし合わせたとき、名人のこの言葉は妙に腑